36.無事、生着

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骨髄移植から16日目。
いつもの回診とは違う時間に「なべさーん!」と勢いよく先生が部屋に入ってきた。私は「検査の結果が出たんだ…!」と察知した。生着しているかを調べる検査結果がそろそろ出るだろうと聞いていたからだ。骨髄移植では患者とドナーの性別が違う場合、性染色体(女性XX、男性XY)の割合を指標にして生着確認をするそうだ。

「結果が出ましたよ!」と先生から差し出された紙を祈るように、恐る恐る見る。

XX(私):0.4%
XY(弟):99.0%

先生「生着、おめでとうございます。本当に良かったですね。」

「ぜんせえ、あ、あいがどうございばず…!」と言葉にならず、安堵と感謝で涙が止まらない。大きな大きな一歩である。最初の山を越えた。

ドナー由来の染色体が100%でないのは、検査の仕方で微妙な誤差が生まれることがあるためだそうなので、心配はいらないらしい。(この検査方法は液体をつけて染色体を光らせて判別するやり方で、これが上手く光らない場合があるそうだ。)

染色体についていくつか疑問があったので、この機会に先生に聞いてみることにした。

Q1 私「私の性染色体は今後の人生ずっと男性のXYなんでしょうか?女性のXXに変わることはないんですか?」
先生「血液の性染色体はこれからずっとXYです。ただ、その他の臓器の細胞はXXです。」

Q2「性染色体が変わることによって今後何か不具合などは出てこないですか?」
先生「何もありませんし、不具合が出たりすることはないです。ただオリンピック選手になってドーピング検査を受けるとか、警察でDNA検査を受けることがあれば、ちょっと混乱を生む可能性がありますけどね。」

性染色体が変わるってことは、私は男になるわけじゃないよね?!
へ?キメラ…??とイマイチ理解していなかったので安心した。
今のところオリンピック選手になる予定はないし、警察でお世話になることもないと思うので笑、気にしないことにした。

Q3 私「妊娠についても問題ないですか?遺伝子異常などは起こらないですか?」
先生「問題ありません。」
Q4 私「もし今後子どもが出来たら、顔つき、性格などの遺伝情報は弟のものが遺伝するんでしょうか?」
先生「それはありません。」
Q5 私「今後、この染色体の割合が変動することはありますか?」
先生「基本的にはありません。ただ稀にドナー由来の染色体が減って、完全に患者由来の染色体に戻ってしまう二次生着不全が起こることがあります。そうなると再移植の話をしないといけなくなりますね。」

あのキツイ前処置からもう一度やり直すだなんて、到底無理だ…。

このまま順調に快方に向かいますように、と祈った。

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