11.にぎやかな病棟

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診察が終わったその足でそのまま病棟に向かった。家族も診断結果にショックを受けていたが「病気とわかった以上、頑張るしかないね!家族みんなで頑張ろう!」と明るく振舞ってくれていた。多分、私を気遣ってくれていたのだと思う。私も家族には暗い顔を見せないようにした。

入院先は血液内科の病棟だった。小児の病院らしく、病棟内の壁には沢山可愛い装飾が飾られていて気持ちを朗らかにしてくれる。

これまで入院していた病院は年配の患者さんが大半で、20代はほとんどいなかった。そのため「あなた若いのにどうして入院してるの?」とよく声をかけられたり、同室の患者さん同士で「私の症状の方が辛い」「いや、私の方が重い病気なのよ」という病気マウンティングが繰り広げられる会話が嫌でも耳に入ってきたりして辛かった。

この病棟には私以外、成人している患者はおらず、みんな赤ちゃんから中学生くらいまでの子ども達だった。同室の患者さんももちろん子ども達。まるで老人ホームから幼稚園に移って来たような感覚だったが、子どもは好きだったし、病棟の賑やかで明るい雰囲気が嬉しかった。

ワイワイと元気そうな遊び声が響いてきたので病棟内を見学していると、プレイルームという小さな遊び場を見つけた。子ども達はそこでおもちゃやゲームなどで遊んでいたが、そのほとんどの子たちが髪の毛がなく、薬の副作用なのか顔が風船の様に腫れていた。みんな点滴が繋がった状態で、最初は痛々しく感じてしまった。ここは小児がんの子が沢山いるんだ…ということを理解した。

その後病棟の主治医の女性のS先生がベッドに来てくださり、今後のことを丁寧に説明してくださった。

明後日は鎖骨下にカテーテルを挿入する手術があるそうだ。これまで入院していた病院では腕に点滴をしていたが、抗がん剤などの強い薬の場合、腕の血管が耐えられず腐ってしまう、と(怖い)。そのため鎖骨下から心臓近くの太い血管にカテーテルを入れてそこから採血したり薬を入れたりするらしい。これまでの点滴針を刺される時の痛さがなくなることを考えれば良いけれど、手術はやっぱり怖いなぁ…。

家族が帰っていって、一人になった。

「もし仮に確定診断が出たら、腹をくくって治療するしかない。」そう思っていたのに、いざ確定診断を受けると人間の心は思った通りにはいかないんだなぁ。

信じたくない。
何かの間違いじゃないか?
夢を見ているんだろうか?という言葉が頭の中を行ったり来たり。
頭と心がちぐはぐ。
まだ現実味がなく他人の話を聞いているような気分だった。
手術も迫っているのだから覚悟を決めなくちゃ、と思いながらやっぱり気持ちが落ち着かなかった。

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