10.確定診断、入院へ

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無事、転院先の病院は決まったが、感染細胞を調べる検査は結果が出るまで時間がかかるらしく、まだ結果を聞けていなかった。転院先の病院は慢性活動性EBウイルス感染症の治療実績が多くある病院であったが、そちらの先生も病状からやはりその病気の可能性が高いという判断だった。だからこそ、確定診断が出る前に転院を受け入れてくれたのだと思う。

でも私はこの期に及んでまだ慢性活動性EBウイルス感染症だと信じていなかった。「なんとなく私はこの病気とは違う気がする。」と何処かで根拠のない自信があった。自分が抗がん剤治療法をして骨髄移植を受けるというイメージが全くわかなかったし、自分がそんな重い病気になるはずがないと思っていたからだ。私にとってどうしても「骨髄移植はドラマの中で見る話」以上の感覚はなかった。

でもそれは本当にその病気だった場合、この先待ち受けている治療を想像すると怖さで耐えられなくなるため、その病気の可能性を信じないようにしていたのだと思う。「きっと私は検査結果に当てはまらないレアなケースに違いない。何かの間違いなんだ。その病気ではない。」という僅かな望みにかけていた。

そして初めて来た紹介先の病院。小児科、産科がメインのため、病院内は子ども達の声で賑やかだった。外来スペースでは汽車が走ったりカラフルな遊具が沢山並んだりしていて、年配の患者さんばかりで静かだった大学病院とは全然違う雰囲気。

夫と母と一緒に診察室に呼ばれる。担当の先生は50代くらいの物腰の柔らかい男性の先生だった。体調などの確認をされ、

「本題に移りますが…。」と先生が口を開いた。
「慢性活動性EBウイルス感染症です。T細胞へのウイルス感染が確認されました。」一瞬、時間が止まったように感じた。

先生は話を続けていたが、頭が真っ白で話があまり入ってこない。ショックで涙が次から次に頬をつたっていくのがわかる。泣いているのを隣にいる夫と母に悟られないために涙もマスクの中の鼻水もそのまま放置していた笑。

入院先の病院で受けた感染細胞を調べる検査の結果が数日前に出たことで、確定診断に至ったという。はっきりした事実。これでもう疑いようがない。

そうして、話はこれからの治療の流れなどに移る。その日からステロイド、免疫抑制剤の内服が始まり、来週から抗がん剤治療。2クール終わってウイルスの減少が確認されたところで骨髄移植に進んでいくそうだ。入院、治療期間は半年から1年程になるとのこと。

「骨髄移植をして元気になったら再発はしないのですか?」という夫の質問に対して、
「基本的にないと考えてもらって構わないです。」と先生の回答。ただ、10人に1人の割合で生活に支障が出る障害が残る可能性もあるという話もあった。

「これから、命がけの治療になります。」先生のその言葉が頭をこだましていた。

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