1.体の異変

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26歳、当時私は新卒で入った外資系保険会社で営業をしており、慌ただしく過ごしていた。後輩の指導も任され、忙しいもののとてもやりがいがあり充実した毎日。一年ほど前に結婚した夫とは週末になると一緒に趣味の食べ歩きに行き、疲れを労い合うのが日常の楽しみだった。

体に異変を感じ始めたのは日ごとに少しずつ暖かくなり、季節が春に移り変わろうとしていた頃だった。

その冬はインフルエンザが猛威を振るっており、私の職場でもインフルエンザで仕事を休んでいる人が数名いた。

「あちゃー!インフルエンザもらっちゃったかも…今大事な仕事抱えてるのになぁ。どうしよう。」と考えつつ、その日は熱さまシートを貼ってひとまず寝た。

翌朝、微熱に下がったが念のため、出勤前に病院に行くことにした。検査をしてもらったところ、インフルエンザは陰性の結果。先生からは「うーん。風邪ですかねぇ。」と言われたので、私はインフルエンザでなかったことに胸をなでおろし、その日は解熱剤を飲んで仕事に行った。

2回目の発熱はそこから2週間程経った頃だった。インフルエンザを疑って念のため病院を受診するも、やはり風邪の診断。「疲れが溜まってるのかなぁ…?」と不思議に思いながら解熱剤を飲んで仕事に行っていた。

しかしその後も熱を繰り返し、2か月の間に4、5回は発熱していた。しかも毎回38度前後の熱で、インフルエンザの検査は陰性。毎回風邪と診断されるのに、喉の痛みや鼻水などの風邪の症状はなく、自覚症状は熱だけだった。

「何か変だ。」そう思った。元々風邪はほとんどひかないし、熱なんてもう何年も出ていなかった。夫と話し、病院で詳しく調べてもらうことにした。

仕事が休みの日に総合内科を受診し、血液検査を受けた。すると「肝機能の数値が少し高いですねぇ。」という先生の言葉に一瞬耳を疑った。お酒は弱いため普段ほとんど飲まないし、これまで健康診断などで一度も肝臓関係でひっかかったことはなかったからだ。結局、翌週再検査を受けることになった。

「忙しさで無理してたからかな。」そう考えてその週はいつもより休みを多く取るようにして、出来るだけ安静にして過ごした。「来週はきっと数値が下がるはず。」そう思っていた。しかし翌週の再検査で肝機能の数値は更に上がり、大学病院で精密検査を受けるように言われてしまった。

大学病院では血液検査と腹部エコーを受け、当日結果が出ない項目があったため、後日結果を聞くことになった。そして依然、肝機能の数値が高かったため、次回診察までの間も安静に過ごすように言われた。

その間、仕事には行っていたものの、体調は明らかに悪化していた。ずっと微熱が続いている上に毎日とにかく体がだるく、疲れが取れない。首のリンパにしこりもできていた。仕事に行くのもやっとの状態だった。

数日後、病院で結果を聞き再度検査をしたところ、急性肝炎の診断。そして「今日から入院して精密検査を受けてください。」という先生の言葉に固まった。前回より更に数値は上昇していた。

AST(GOT) 345
ALT(GPT) 428
LDH 401
ALP 729
γ-GT 140
(右の数値がそれぞれの基準値)

そこから長い入院生活が始まることになる。

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